都から西へ三里 愛宕山の麓 石垣と家並みが美しい 趣きある山里 日本の柚子発祥の地 愛宕山の伏流水と寒冷な気候が 香り高い上質な柚子を育みます 清和天皇 終焉の地 守り継いだ暮らしと集落 今でも閑静な佇まいが残ります 柚子畑が集落を囲み 秋深まる頃 芳醇な柚子の香りが 水尾の里を覆います
歴史
水尾は、昔は山城と丹波の両国を結ぶ要所に当り、早くから開けていました。東の八瀬・大原に対して、西の清浄幽すい境として、大宮人にもよく知られていました。
また、水尾の地をこよなく愛し、後の世に「水尾天皇」とも呼ばれた「第56代清和天皇」(850年~880年)ゆかりの地としても知られています。 文徳天皇を父に持つ清和天皇は、清和源氏の祖とされるほか、出家後に修行のために、山城、大和、摂津などの寺院をまわり、帰路、水尾山寺に立ち寄った際にこの地の景観を気に入り、この水尾を終焉(しゅうえん)の地と定めたと言い伝えられています。
清和天皇ゆかりの地として、清和天皇陵があります。水尾集落から少し離れた山の中腹にひっそりとたたずんでおり、学問・文芸にいそしんでいたといわれる清和天皇にふさわしい地となっています。
水尾小学校の校庭を横切っていくと、杉やヒノキの木立の中に清和天皇社があります。里の氏神で、毎年5月3日には清和天皇社例大祭が古式ゆかしく執り行われます。
水尾はこんなことに力をいれてます
実生栽培にこだわった「水尾の柚子」をはじめ、地域の魅力を残すため、平成二十二年に区役所の協力を得て、住民みんなで「元気策(アクションプラン)」をつくりました。
散策ツアーや加工品づくりの会など、これまでの取組を踏まえ、自分たちが頑張ればこれはできるというアイディアをまとめたものです。
その後、加工組合が立ち上がり、まちなかのイベントでの加工品販売やPRを行っています。将来の六次産業化や地域雇用をめざした活動です。
平成二十一年から始めた原種のフジバカマを栽培し保存する取組は、住民にも来訪客にも大好評です。
住民が一丸となって活性化に積極的に取り組んでいる姿が伝わったのか、地域の外から「ぜひ協力したい」という声かけをいただけるようになってきました。人手が不足する柚子の収穫期には、市民ボランティア「柚子しぼり隊」が応援に来てくれます。またNPO法人和の学校や嵯峨美術大学の学生など、水尾を愛する人が増え、一緒に取り組み、魅力を発信しています。